2009年1月25日日曜日

声・魂の蘇生 2008.12.5. フォトメモリアル

       

2009年1月25日
'08.8/25公演ダイジェストMOVIE公開中

声・魂の蘇生 2008.12.5.
フォトメモリアル


沢山のご来場を頂きました事、心より御礼申し上げます。


                                 撮影協力:楽遊庵

■撮影データ
2008年12月5日(金)
東京青山・草月ホール



雨はやがて嵐となった。
何かが生まれようとしていたのだ。

12月5日。午後2時30分。

舞台では公演のゲネプロが行われようとしていた。
舞台袖に待機するOBBメンバーを、片岡先生が呼び集めた。何か演出上の変更でもあるのだろうか。メンバーが顔を寄せると、片岡先生が静かに語りだした。


「まだ伝えていなかったけど、この舞台のテーマは『繋がる』ということです。前半一人ひとりの個性が、後半になって一つに繋がり、最後には一つになる。その一体となって生まれるものが、観客に伝わればと思います。」頭の中の記憶なので、一言一句正しく暗記しているわけではないが、仰っていたことはそのようなことだったと思う。

まあ、たった今考えたことだけどね。

片岡先生はそう言って、照れくさそうに笑っていたが、「声・魂の蘇生」というテーマにおいてOBBが伝えたかったことは、まさしくそういうことだったのだと思う。

OBBの演目は「RESONANCE 2」と名付けられた。8月に行われた公演のタイトルが「RESONANCE」。その正統な続編、というわけである。

「RESONANCE」とは、辞書的には「共鳴」という意味を持つ。8月の公演では、たしかにメンバー同士、そしてメンバーと観客のたしかな共鳴が手に取って感じられた、という手ごたえがあった。


だがさらにそれを「進化」させなければならないと感じたのは、8月の公演で感じた共鳴が、何かの「予兆」に過ぎないのではないか、という感覚が残されていたからだ。

響いている、届いている。その次にあるものは何か。

それは「繋がっている」という感覚なのではないだろうか。
魂の響きによって差し伸べられたその手を、私たちは強く握り締め、繋ぎとめる必要があったのだ。

だからこそ、今回の公演は「共鳴」であり、そして共鳴によって「繋がっている」ということがテーマになったのだと思う。意識的にしろ、無意識的にしろ。そういう意味では、この公演は「RESONANCE」でもあり「RESPONSE」でもあったのだと思う。

現代人は人、自然、精神、身体、あらゆるものから分断されてしまっている。
その断絶、そして孤独が魂を蝕んでいる。

今回の公演を通じて、声によって人や自然や世界や宇宙の繋がりを再認識し、蝕まれた魂が少しでも癒されたなら、これほど嬉しい事はないが、どうだろう。直前までバタバタしながらああでもないこうでもない、と右往左往していた演目にしては、大仰に言いすぎだろうか。

嵐の後、翌日は眩しいほどの快晴だった。
何かが生まれ、飛び立ったのだ。そう、信じたい。


(文章:Overtone Breath Band 吉田真樹)